24時間ホルター心電図検査
24時間ホルター心電図検査は、約24時間日常生活の心電図を連続して記録し不整脈や虚血性変化の有無や程度を評価する検査法です。
不整脈や狭心症は、症状がわずかな時間だったり、発作的に思いがけず出現することがあります。狭心症の中でも、昼間の行動時に出現しやすい労作性狭心症とは異なり、異型狭心症は深夜から早朝に出現することが多く、また胸部症状の全く無い無症候性心筋虚血という病態もあります。標準12誘導心電図検査は通常短時間で終了し、たとえ5分程度記録しても必ずしも検査中に症状や所見が出現するとは限りません。
安静時心電図では検出できない、心疾患の微妙な所見、変化を捉えるためには、普段の日常生活の中で長時間の心電図検査を行うことによって発作時心電図を記録する必要があります。一日中心電計を携帯することで、睡眠時や運動時の心電図も記録できます。得られた心電図を専用ソフトで解析することで、不整脈や虚血性変化の有無や程度の判定が可能となります。無症状時の心電図を長時間解析できるため、特に無症候性心筋虚血の診断に力を発揮します。
前胸部に電極を装着し、携帯型心電図記録器を接続します。装着する記録器は、小型・軽量で煩わしさを軽減しています。心電図はマルチメディアカードに記録されます。
電極と記録器の装着、注意点の説明等で約20分程度かかります。
原則として翌日、同時刻に記録器を外しにご来院いただきます。
検査中は、極力普段と変わらない生活をして下さい。入浴・シャワーも可能です。検査中だからという理由で普段と違った行動をとると、かえって症状が出現しにくくなるばかりか、通常の行動パターンで心電図変化が起こっているのかも判断しにくくなります。むしろ発作を誘発する行動があれば、是非検査中に試して頂きたいと思います。ただし、激しい運動はノイズの原因となり、検査としては負荷心電図検査が適応となりますのでお避け下さい。(検査が多い日は、従来機種も使用するため入浴できない場合もございますので、あらかじめご了承下さい)
検査中の行動や症状出現の有無等について、専用記録紙に記入し翌日ご持参下さい。動悸、胸痛などの症状があれば、該当時間の心電図を入念に検討します。
通常は24時間検査を行いますが、時に当院の都合により数時間少なくなることもございます。あらかじめご了承下さい。
心電図解析結果説明は、およそ1週間後に御来院頂きますが、時間をとれない方は、30〜60分程お時間を頂ければ外した当日にご説明いたします。