自転車エルゴメーター運動負荷試験

自転車エルゴメーター運動負荷試験は、運動により心臓に負荷をかけることで虚血性変化、不整脈の有無や程度を評価する検査法です。

狭心症は発作時にのみ心電図が変化します。労作性狭心症が疑われる場合、安静時の心電図検査では判定できません。運動等で心臓に負担をかけて狭心発作を誘発し、発作時の心電図を調べます。不整脈もいろいろな種類がありますが、運動負荷により悪化(運動増悪型)、誘発(運動誘発性)する不整脈は、一般的に治療を要する可能性が高いと考えられています
運動負荷試験として、ベルトコンベアーの上を歩く方法(トレッドミル試験)もありますが、当院では自転車のような装置のペダルをこぐ方法(エルゴメーター試験)で心臓に負荷をかけます。運動前から運動中、運動後と心電図・血圧・脈拍を連続的に監視し、心電図・自覚症状の変化、不整脈の出現・増悪の有無を観察します。




運動のしやすい服装で御来院下さい。検査着に着替えた後、胸に心電図電極を、右腕に自動血圧計を装着します。そして自転車エルゴメーターのサドルに乗り、安静時の心電図・血圧測定後にペダルをこぎ始めます。ウオーミングアップ中にペダルをこぐ速度を覚えてもらったら、負荷を開始します。ペダルの踏む重さを徐々に重くすることで、少しずつ心臓に負荷を与え、心電図の変化をみます。
症状を伴う虚血性変化が出現したり、運動負荷中止基準(目標心拍数に到達した、不整脈が頻発した、血圧が極端に上昇または低下した、息切れがひどい、脚が疲れてペダルが踏めない等)がみられれば運動を中止します。心電図・血圧・脈拍が運動前にほぼ戻ったことを確認できたら検査終了となります。
検査時間は30-40分程度です。


検査結果が陽性で虚血性心疾患が疑われる場合は、冠動脈CT検査または冠動脈造影検査をお勧めしています。また負荷中に重症不整脈が見られた場合も心精査を勧めています。
検査結果から、運動能力がどの程度かおおよそわかります。心肺運動負荷試験ほど詳細な運動能力の評価はできませんが、安全性の高い運動量を指導することは可能です。